ＢＩＧ　ＷＩＮＧ(2)

☆各パーツを製作中
　パーツの製作に取りかかりました。ＢＩＧ　ＷＩＮＧのメカニカルパーツは小ねじやツマミ、既成部品などを除いても計１４種類、２０部品にのぼります。試作１号機は　１１種類、１３部品でした。増えた理由は２インチ延長スリーブ、アメリカンサイズアダプター、プリズム支持部品の分離による部品追加です。この部品追加によって部品代が増えないように工夫をしています。たとえば角パイプの両端のカバーは丸みを持たせた形状ですが、これをアルミ無垢材から削り出すのは無駄が多く、加工に手間がかかりました。今回は１号機のカバー切削品を原型としてシリコン型を作り、２液性の樹脂成型を行って切削加工の手間を省いています。カバーは角パイプの補強の役目をしていますが、５ｍｍ厚の樹脂にすれば十分な強度を保てます。メカニカルパーツはこれだけの数ですからなかなか安くはなりませんが、一応の目標として光学パーツ（プリズム＋斜鏡）とほぼ同じコストにできればいいなあと考えています。メカパーツは４月初旬にはできそうです。なお、シリコン型はオリジナルパーツのコピーを作る最も手軽な方法です。（２００３年３月２１日）

		１ｍｍ厚程度のプラスチックシート５面をテープ止めして外枠を作り、油粘土を半分程度入れ原型を埋め込みます。このとき後から上下型が抜きやすいように型割り（パーティングライン）を決めます。４隅に鉛筆などを押しつけて凹みを作っておきます。（上下型の位置決めになります）液漏れしないように隙間無く粘土を詰めます。
		シリコン原液に硬化剤を混ぜ、よく攪拌したのち静かに上から注ぎます。外枠が液の重みで開かないようテープで補強しておきます。シリコンが硬化するには室温で２４時間程度かかります。原型や粘土の状態によっては、あらかじめ表面に離型材を塗布、乾燥させて除去しやすくしておきます。
		シリコン硬化後、外枠をはずし粘土を除去します。シリコン型から原型をはずさないようにしシリコン表面の粘土をアルコールで清掃します。次のシリコン注入に備えて離型剤を塗布・乾燥させておきます。
		再び外枠を組み立てテープ補強してシリコン液を上から注入します。シリコンの厚さは原型が完全に隠れてから少なくとも１ｃｍ以上追加しないと型が柔くなり成型品が変形します。
		シリコンが硬化したら上下の型を分離し、原型を取り出し表面を清掃後、樹脂の注入口と注入中に空気が逃げる通路を削って作ります。Ｕ字やＶ字刃の彫刻刀を使うと簡単に削れます。注入口には漏斗状の樹脂だまりを設けます。型の角や縁は損傷しやすいのでカッターなどで面取りをします。
		上下型を合わせ型が開かないようにテープや補強板でしっかりと抑えます。押さえが弱いと樹脂が漏れ出し、強すぎるとシリコン型が変形します。２液性の樹脂を調合攪拌し気泡を型内に作らないよう静かに注入します。樹脂は硬化中に収縮して量が減少するので適宜補充します。
		樹脂が硬化後、型を開き成型品を取り出します。硬化時間は樹脂によって異なります。ゆっくりと硬化する樹脂は寸法収縮も小さい傾向があります。成型品についている注入路や脱気路の後をニッパーなどで切除し、表面を仕上げて完成です。画像の樹脂は調合時黒色染料を混入してあります。

２インチ双眼装置２号機「ＢＩＧ ＷＩＮＧ」

２インチ双眼装置２号機「ＢＩＧ　ＷＩＮＧ」