ネットで見つけた赤外透過（可視光カット）フィルターです。
偏光フィルターのように枠が回転式になっていて、カットする波長を連続的に変えられるというものです。
ナイトビジョンや電視観望では赤外透過フィルターを複数セットしながら最適条件を探すので、便利に使えそうだなと思い購入しました。
販売元はいろいろあるようですが製造元は中国メーカー１社のようです。 枠には５３０〜７５０ｎｍまでの表示があります。
しばらく使ってみたのですが、どんな透過率性能なのか謎でした。
昨年、ちょうど知り合いに「透過率測定器」を導入した方がいて、測定をおねがいしました。
画像のようなコンパクトな機材ですが、なかなかの価格のようです。
測定結果が下のグラフです。 可視光用なので測定範囲は７８０ｎｍまでとなっています。
バリアブルＩＲフィルターの分光透過率 （530-750の数字はは枠の表示値に合わせた）
いっぽう一番下のグラフは、ＨＯＹＡのシャープカットフィルター 半値５３０〜７６０ｎｍ（１１種類）の透過率です。
カタログ値からグラフを作成しました。
このような、シャープにカットする特性が連続的に変えられるものを期待していたのですが、全く期待外れの特性でした。
枠に付けられている数字もほとんど意味をなさない 「なんちゃってＩＲ」 フィルターでした。
まあこれでも昼間の赤外線撮影の雰囲気を楽しむことはできるでしょうが、シャープカットでないし、透過域の透過率も低いので
天文用には全く適さないと思います。
ＨＯＹＡ製シャープカットフィルター（１１種）の分光透過率
アイデアは評価しますが、１つのフィルターで、１１種類もの専用フィルターに及ぶはずもないですね。
（２０２２年９月３日）
